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電子レンジ対応の容器はオーブンでも使える?――脱臭ボタンで発火した事故が示す違い

情報基準日:2026年3月29日|2007年の事故と2026年の安全啓発を比較

電子レンジ専用の樹脂製トレーを入れたまま「脱臭ボタン」を押したところ、そのトレーが溶けて発火しました。

2007年9月23日、東京都で起きたオーブン機能付き電子レンジの事故です。電子レンジ専用の容器なのに、なぜ同じ機械で火が出たのでしょうか。

理由は、その機器の脱臭ボタンが、電子レンジのマイクロ波ではなくオーブン加熱を行う機能だったためです。同じオーブンレンジでも、選んだ機能が変わると、使える容器が変わります。

2007年、調理をしていないのに容器が発火した

事故で使用されたのは、市販のポリプロピレン樹脂製の電子レンジ専用トレーでした。使用者が庫内を脱臭しようとして、トレーを置いたまま脱臭ボタンを押しました。

NITEの事故調査一覧(管理番号A200700686)によると、オーブン加熱によって樹脂製トレーが溶解・発火したと判断されています。調査では、機器本体が原因の事故とは分類されませんでした。

ここで注目したいのは、食べ物を温める操作ではなかったことです。通常の温めに使える容器でも、庫内に置いたまま脱臭などの別機能を動かせば、想定していない熱にさらされます。

「電子レンジ対応」と書かれていれば、同じ機械の中で何でも使えると思いたくなります。しかし、この事故では容器の表示と加熱機能が一致していませんでした。

電子レンジとオーブンでは、加熱の仕組みが違う

レンジ機能はマイクロ波を使って食品中の水分などに作用し、食品を温めます。オーブン機能はヒーターの熱や庫内の熱い空気などで加熱します。

どちらも庫内が熱くなることはありますが、容器が受ける加熱条件は同じではありません。レンジ対応の樹脂容器が、高温のオーブン加熱に耐えられるとは限らないのです。

同じ機器でも、容器の確認先は異なる

レンジ機能

マイクロ波による加熱。容器の「電子レンジ対応」表示と制限事項を確認。

オーブン・グリル機能

ヒーターなどによる高温加熱。別途「オーブン対応」や機器の指定条件を確認。

金属類も同様です。通常のレンジ加熱では原則として使用できませんが、オーブン機能では機器によって使える場合があります。素材名だけで判断せず、容器と機器の両方の表示を確認する必要があります。

2026年も、加熱モードごとの容器確認が呼びかけられた

2026年3月25日、国民生活センターは「電子レンジによる事故を防止!」を公表しました。2020年4月から2025年12月までに、電子レンジ使用中の事故に関する相談が521件寄せられたと説明しています。

521件は容器の加熱モード間違いだけではなく、加熱しすぎや食品の破裂などを含む相談件数です。同センターはそのうえで、レンジ・オーブン・グリルの各モードによって使える容器が変わると明記しています。

2007年の事故と2026年の注意喚起
比較点2007年の事故2026年の安全啓発
問題となった行為レンジ専用トレーを庫内に置いて脱臭ボタンを押した機能に合わない容器の使用などを注意喚起
加熱方式脱臭時にオーブン加熱を使用レンジ・オーブン・グリルを区別
分かったこと調理以外の操作でも容器が発火したどのモードを使うかで容器の使用可否が変わる

手持ちの容器は、どう判断すればよい?

  1. 使う機能を先に決める。レンジ、オーブン、グリルのどれを使うのかを確認する。
  2. 容器側の表示を読む。電子レンジ対応とオーブン対応を混同しない。耐熱温度だけでは使用可否を判断しない。
  3. 機器の取扱説明書と照合する。機種によって使える付属品・容器・調理モードが異なる。脱臭・空焼きの操作では、庫内を空にする指定があるかも確認する。

表示が分からない容器は、使用するモードでの適合性が確認できるまで使わないほうが確実です。庫内で発煙・発火した場合は、国民生活センターの案内に従い動作を停止し、扉をすぐ開かず、危険な状態なら119番通報してください。安全を確保できない状態で無理に電源プラグを抜こうとしないでください。

2007年に発火したのは、電子レンジ専用の容器でした。容器に表示があっても、使用する機能と一致していなければ安全とは言えません。次にオーブンレンジを使うときは、容器の表示と選ぶモードをセットで確認する。それが、この事故から得られる具体的な判断です。

出典